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「欲しい財布を、自分の手で作れないだろうか。」

そんなささやかな問いかけが、KIKUCHI LEATHERの原点です。

使うたびに手に馴染み、日々の暮らしにそっと寄り添ってくれる道具。

そうした存在を、自分の手で生み出したい。

その思いが、私をものづくりへと向かわせました。

現代社会では、スピードや合理性が重視され、大量生産が主流となっています。

しかし、「もの」の本質的な価値とは、果たして数字や効率だけで語れるものでしょうか。

素材選びから型紙の製作、裁断、漉き、縫製に至るまで、すべての工程を一人で手がけています。

それは単なる制作手法ではなく、作品に宿る一貫した意志と美意識を大切にしたいからです。

KIKUCHI LEATHERが目指すのは、シンプルで飽きのこないスタンダードなデザイン。

流行に左右されず、長く使い続けられる確かな佇まい。

日常の中に自然と溶け込みながら、確かな存在感を放つ日用品。

手に取るたびに、使うほどに、革は少しずつ表情を変え、

持ち主だけの色と風合いを刻んでいきます。

その変化こそが、ものとの対話であり、時間をともにする喜びだと考えています。

創作のヒントは、いつも日々の暮らしの中にあります。

さりげない風景、静かな時間、小さな気づき。

そうした日常の断片が、やがて一つのかたちとして結実していきます。

まずは、自分自身が心から納得できるものをつくること。

そして、それが誰かの暮らしの中で、長く愛されるものであってほしい。

KIKUCHI LEATHERは、そうした想いのもと、一点一点を丁寧に、誠実にお届けしています。

KIKUCHI LEATHER キクチレザー
菊池健治